女か造人補天

女か造人補天

 盤古の天地開闢以後,天に太陽や月、星があり地上に山水樹木があるとはいえまだ人間は存在しなかった。それでは人間はどこからやってきたのだろうか。神話に伝わるところによると、人は女かという名の神が造ったものである。

 

ある日女かは地上を歩いている時、ふと自分は一人ぼっちでとても寂しいと感じ、この世に何か他のものがいた方が良いと思った。しかし何がよいだろう、彼女はなかなか思いつけなかった。ふと池のそばにやってきて身をかがめ水に映った自身の美しい姿を見たとき、“そうだ、自分のような生き物を作ればよい、それを人間と呼ぼう。この世に人がいればきっとにぎやかなことだろう、もう孤独で寂しい思いをしなくてもいい。”と考えた。

 

あれこれ考えていたが、彼女は池の端から一握りの黄泥をすくい取ると手の中で捏ね回し赤ちゃんのようなものを造り出した。不思議なことに、彼女が泥人形を地上に放るとこの丸々とした泥の赤ちゃんはすぐに生命を得て活発に飛び回り開口一番心を込めて“おかあさん”と呼んだ。女かは聞くや否や嬉しくて顔がほころんだ。こうしてこの世に初めての人が現れた。

 

 女かはまたもっとたくさんの人間を作ろうと考え,黄泥で休みなくたくさんの泥の赤ちゃんを造った。これらの小さな人間たちは彼女の周りを飛び跳ねたり笑ったりしてとても楽しい世界が生まれた。しかし何といってもこの世界はこんなにも大きいものだから、彼女がいくらたくさんの赤ちゃんを造ったとしてもわずかなものである。それに人はいずれ死んでしまうものだ。後にだんだんと少なくなっていった。彼女はあれこれ考えて人を男と女に造り分けることを思いついた。男と女がいれば一代一代生み続けることができる。果たせるかなこの方法は大いに効果を発揮した。この後女かが泥人形を造らなくとも世界中人だらけになってしまった。

 

女かが人間を造りだした後、人々は長い間楽しい悩みのない生活を送った。しかし思いもかけず、ある年突然大音響とともに天上に大きな空洞が次々と現れ、地上には深く真っ暗な地割れが次々と発生した。大洪水が起こり、森は大火事に見舞われた。地上に大波逆巻く大洋大海が出現した。人々は驚き慌てふためいたが一体何が起こったのかわからなかった。これらのことが彼女の造った人間たちにたいへんな苦しみ、災いをもたらしているのを見て、彼女はとても辛かった。彼女はこれ以上人間たちを苦しめてはならないと考えた。天空に現れたたくさんの空洞を見上げると、これこそが災いの元だ考えた。これらの空洞を埋めなければ更なる災いをもたらすかもしれないと思い、これらの穴を埋めようと決心した。河畔にやって来るとたくさんの五色の石を拾い、火をおこしこれらの石を溶かして糊のようなものを作った。これで一つまた一つと天のほころびを埋めていった。全ての穴を埋め終わってもまだ安心することができず、一匹の巨大な亀を提げてきて四本の足を切り落とし、これを東西南北に天を支える巨大な支柱として天が再び落ちてこないようにした。

 

このように女かが苦心惨憺して補修して後、人々はまた平穏で楽しい日日を送れるようになった。

大地には花が咲き乱れ、河の水は澄み切り、春夏秋冬四季折々作物は豊作で食べる心配もなくなった。女?はこの素晴らしい状況を見てとても喜んだ。人々が楽しく暮らせたら自分の苦労などなんでもないことだと思った。後の人々は女かをこの上なく良い神だと口々に称えた。

中国の神話

小学校の教材から借用

SEO [PR] 爆速!無料ブログ 無料ホームページ開設 無料ライブ放送