随州の嘆き

問題の核心;

湖北省随州はもともと”蘭のふるさと”と呼ばれ蘭の世界三大産地の一つである。二十数年前,江蘇,浙江省及び韓国などの蘭商が噂を聞きつけやってきて一株2元で蘭を見るとすぐ買い上げ、はては一斤いくらで買い農民が山で蘭を採ってくるように仕向けた。最近では国内での蘭の価格をあおる風潮が高まり、国内外の随州に駐在する蘭商が頻繁に珍しい蘭に高値をつけ、蘭農家を刺激して蘭を見つけたらすぐ掘り起こすようにしてしまい随州の蘭資源に壊滅的な打撃を与えてしまった。

現場目撃  山に緑が減り荒れ果て 十里四方蘭の香がしなくなった

“最近山で蘭が採れなくなった、山採り人は町から30数キロ離れた山奥まで蘭を採りに行き見つけたら片っ端から採ってしまう。こんなことをしていたら 随州から蘭がなくなってしまう。”
 随州の蘭を惜しむ一愛蘭家からこのような痛切な電話を受け、筆者は4月3日随州に調査に出かけた。蘭花はまた蘭草とも言い、春に開花し、よい香がする一種の高級な草花である。高い観賞価値があり薬用としての経済価値も高い。随州の大洪山区と桐柏山区は多くの野性蘭を産し、121の品種があり、数量は2億本以上に達し、中で九華、春蘭紅花,など21の珍稀品種が内外でもてはやされ韓国、日本とともに世界三大蘭産地の一つである。蘭に関係のある町は40以上に達し、そのうち60%が万和、殷店、三里崗、洪山、武勝関、蔡河、?店などに集中している。筆者は蘭の名産地万和村にやってきて、山に向かう道を車で60数キロ移動した。草木が生長し鶯が飛び回る季節にもかかわらず、道端の山あいにはわずかばかりの緑しかなく、いたるところ禿山で所所に親指大の太さの小木が元気なく生えていて、ある山は焼かれて黒くなり、風に乗って焼け焦げた匂いが漂ってきた。案内してくれた人によると、数年前までは山は緑の草に覆われ、毎年清明節の前後蘭は翠緑に輝き十里四方良い香が漂っていた。しかし今では一株の蘭を探すのも大変なことだ。我々は山道からそれイバラを掻き分け突き進み、草むらや低木の周りを探し回り600メートル以上行ったところでようやく小さな木の下で一株の蘭を見つけた。案内人が言うには山採り人は普通匂いをかぎつけるとすぐに掘り起こすが、この蘭はまだ花が咲かず幸いにも引き抜かれなかったのだろうとのこと。帰り道我々は一人の中年男性にあった。彼は手に短い鋤を持ち背には袋をしょっていた。これこそ山採り人に違いない。我々は近寄って確かめようとしたが彼はあわてて山道からそれ山の中に消えてしまった。案内人によると、こんな袋をしょった人は数年前は山の中のどこにでも居た。今では蘭がなくなり彼等はもっと深い山の中へ行ってしまったとのこと。

調査報告 内外の蘭商が随州に駐在し蘭を買いあさり,金を求め農民は蘭を見れば掘り起こす。

万和村は随州市内から60数里離れている。青苔村の孫新華は村村の集まっているところに土地を買い家を建てた。70平方メートルの土地に4万元以上払ったそうだ。万和村の経営に携わる孫湖平は道路の両側の新しい家家を指差し、“これらの人たちは皆大もうけした。金を儲けた農民が皆家を建てるので土地が値上がりしてしまった。青苔、曹家溝、吉祥店等の村の地価は6.7アールあたり40万元するが、これは随州市内の4〜10倍だ。青苔村の党支部書記曹何がしが言うには、蘭農たちはいくら土地が高くても農村に住み町に住みたがらない。元々すんでいた土地を離れたくないと言う以外にもっと重要なのは蘭を採取したり、培養、運搬、売るのに便利で、黄金より高価な蘭から離れることができないのだ。去年6月随州市政協常務副主席胡清一行は随州市の蘭資源、産業状況を調査した。80年代来、世界各地特に東南アジア各国で相次いで“蘭花熱”が起こり、浙江省や韓国などの蘭商がかぎつけ随州にやってきて一株 2元で買取り、山々の蘭は一夜にして”金の草”に変わり農民たちは次々山採り隊に加わった。調査によると、随州では20以上の村々の4万人以上の人が山採り、栽培、経営活動に携わり年の総交易量は5000万元以上になる。そのうち、珍しい蘭資源が豊富な万和村では2000人以上が蘭の採取、栽培にかかわり、香港、台湾や韓国などの商人が常駐し買い付けている。2000年、車店村の農民梁武が一株の“奇花梅弁素心”を外国の商人に売り10万元を手にし、2002年、吉祥店村の農民劉建国など5人共同で採取した“九花蘭”は8万ドルの値が付き随州蘭の一本の値段として最高記録を打ち立てた。この調査報告によると、数人の在随州商人たちは蘭を見るとすぐ買いつけ、一斤いくらで買い、或いは高額で人を雇い蘭を掘らせ,山採り人たちは“絨毯式”に掘り起こしてしまう。蘭を見るとすぐ掘り起こし、ホルモンまで根こそぎ取ってしまう。こんな度を越したやり方では随州の野生蘭資源を枯渇してしまう。

悲痛な叫び  山を封鎖し山林を育て蘭を保護する  市場を規制して産業となす

随州での取材の日、随州蘭生態資源の破壊を語るとき随州人で心配しない人は居ない。1997年わが国の野生植物保護条例が実施されて以来、随州市林業局は蘭資源の保護を初めとして山に入って蘭を採ってはならない、貴重な蘭を保護するよう明文化して規定した。各町村では林業野生動植物保護局を設けた。森林公安部では大いに力を注ぎ前後20に及ぶ蘭の山採り事件を処理した。しかし多くの原因から山採り人たちの足を止めることはできない。随州市の関係部門で蘭農たちに自宅での蘭の栽培を推奨し、万和町だけで養蘭家は1000軒に達し、毎年の蘭の取引高は4000万元以上になる。しかし蘭農たちは皆家で蘭を育て、科学的な繁殖技術がないのでどうしても種木は山の野性蘭に頼らざるを得ない。家で蘭をを作るようになっても野性蘭資源の消失を食い止めることはできない。随州市政協の調査報告によると、随州市の蘭市場にはなんの規則もなく、決まった場所で取引するわけでなくほとんどが勝手に取引し市場のでたらめさが蘭資源の浪費につながっている。蘭に関する知識はまだまだ足りず、技術や情報も滞っている。市には蘭友たちにサービスを提供することができるような組織もない。報告は組織的な蘭産業の発展や、蘭資源の保護を強く進め合理的な開発と野性蘭の利用を呼びかけている。野性蘭は伝統的な名品の主な種資源であるが自らの繁殖能力は限られ、一度破壊されてしまえばそれを補う方法はない。報告は随州市に蘭の経営管理方法を提案している。つまり、蘭の管理には規則を作り従わせ、法律で規制すべきである。蘭の自生地に保護区を設け、原産地を登録保護し、勝手に掘り起こすのを禁じ、随州蘭の遺伝子庫を保護すべきだ。それには大々的に宣伝教育し、野性蘭をみだりに掘り起こしたり、その他違法な取引をするのを禁止しなければならない。蘭は木陰を好み樹木とともに生きている。多くの随州人に望むのは山を守り林を育て、蘭に樹木の保護の下その独特の生態環境を回復させ、同時に厳しく山採りや運搬、取引をやめさせ、蘭の家庭栽培を大規模化し技術を高めさせ、政府が市場を管理し随州蘭資源を回復させなければならない。

湖北の蘭

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