彩雲同楽梅と蘇州春一品


 呉恩元氏によると1917年上海の呉有成が選出した有成梅を陸永生氏の棚に納めた。この年の夏同楽梅とともに、紹興のある蘭商に盗まれ,杭州の呉輔臣に売り飛ばされた。訴訟となり裁判は半年に及んだ。呉輔臣に故買の容疑がかかり法警は夜間にがさ入れを行なった。結果呉輔臣の蘭の半分が油煙で燻られて痛んでしまった。このためこの蘭は持ち主に帰ることはなかったが行き先が明らかになった以上、行方知れずではなく盗まれたと記述された。
 同楽梅が盗まれて20年後つまり1937年、蘇州で春蘭の優品が現れ蘇州春一品と命名された。貝という人が愛倍していたので貝氏春一品と呼ばれる。両者の葉形、花の特徴も極めてよく似ている。このためこれは盗まれた同楽梅が名前を変えて出てきたのではないかという疑問がある。しかし出品者や現地の人々の意見を検討し、各地の蘭展で出品された同楽梅と蘇州春一品を細かく比べてみると、両者とも捧心に兜があり白頭を現すが、同楽梅は僅かな兜で柔らかい蚕捧心、木が充実しないと白頭が消える。蘇州春一品は硬い蚕捧心である。
 舌はどちらも大きく丸く垂れる。しかし両者には明らかな違いがある。同楽梅は大鋪舌で伸びやかで巻かない。蘇州春一品は大円舌で舌端は同楽よりさらに丸く広くやや巻く。このことから江南蘭王はその著書 蘭花 のなかで貝字春一品を梅形水仙弁に入れている。これには異論を挟む余地はない。
新春梅のほうが同楽梅の説明により合致しているのではないか 云々、云々
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 蘭寶ャ史の写真を見ると舌先はやや巻いているように見える。三弁の形状、捧心の兜の有無、白頭の有無、舌の形状など株の充実度、年による差などがあると思われるので判別の根拠にならない気がする。また三弁に薄く紅筋が数本入るのも共通しているようだ。つまりこれら三種を判別するのは極めて困難だろう。
 花の大きさについて同楽梅とされているものと他の蘭と比較のため撮った写真があったが他の二種については見当たらなかった。大きさも同じようであればいよいよ判別が困難となるだろう。
三つとも同一種であるという見方もあるようだ。

一枚目と他の蘭と比べるとこの花の大きさが分かる

翠一品と

小打梅と

同楽梅として発表されている蘭

蘇州春一品として発表されている蘭

最近の蘭

蘭寶ャ史の同楽梅
1914年上海の陸永生が愛倍し1917年盗まれた。
と記されている。

新春梅として発表されている蘭

いずれにしても三種とも堂々とした素晴らしい花であることに違いはない

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