収根と放角

 收根”は字面から見てとても分かりやすく、三弁の付け根が細く収斂する形態のことである。しかし“放角”は“收根”程簡単ではない。ある蘭書によるとこのように解説している。
 「弁の中央部から弁先に向かって徐々に広がり鈍角形を呈し、弁端より約
0.4cmのところから徐々に収斂し且つやや内側に巻き、弁端が僅かに兜状をなす。この前後の接するところを放角という。」

 蘭友が、どうして“收根放角”なんだ、“收根收角”というべきだろう?といったことがある。実際彼の言っていることは正しい。ただ専門書は記述の仕方が一般の人が理解できるように気配りがしていないだけなのだ。
 つまり“收根”と“放角”の部位は違うがその方向は同じである。弁端から弁の付け根に向かって見て、収斂するとか拡大するとか言っているのだ。蘭友たちがより直感的に理解しやすいように美芬荷の例を挙げてみよう。

1)弁根部
2)最も広いところ
3)弁端

収根 2)から1)へ徐々に収斂(収根) 
青色
放角 3)から2)へ突然拡大(放大)
 赤色

收根放角”の基準と三つの要件

1)弁の長さと幅の比率 理想的には32

2)弁の付け根の広さ。 もちろん細いほうが良い

3)弁の最も広いところから弁端までと弁の付け根までの比率 
  全体の四分の三のところが最も広いものが良い。


この三つのポイントを満たし、青線と赤線が直線的で且つ写真の2)の部分で鋭い峰を表すものほど調和が取れ力強く、中国人の審美感にかなうといえる。

中国蘭についていうなら、以上のことは荷弁の美について述べているのであって
千梅万水仙,一荷无処求”と言うように荷弁の選出は極めて難しい。新花の中でこの美芬荷はとても高い水準に達している。古い品種では大富貴と環球荷鼎の収根放角がとてもよい。

大富貴

環球荷鼎

収根放角と言う点では劣っても素晴らしい美しさを発揮しているのが翠盖荷で、かつては“団弁”といっていたが現在では団弁といわなくなり荷弁に入れ“緩やかな放角”といっている。

“收根放角”と言えば荷形水仙(古称荷花水仙)をあげないわけにはいかない。この花型も蘭人たちが高く評価する花芸で、かつては荷花水仙を第一とした。外弁にかなりの“收根放角”が見られるか否かが荷形水仙に入れるかどうかの基準のひとつである。

竜字  荷形水仙の代表

西神梅   梅形水仙の代表  

伊丹巴的“網夢”より

最近の蘭

分かっているようでよく分からない用語に収根放角がある。少し調べてみました。

翠盖荷

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