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蘭�寶ｬ史
素蝶
１９２０年に選出。主弁は荷形で、副弁は蝶が羽を広げ飛んでいるようである。
舌は濁りのない白。陳義室主人が愛倍。

春蘭譜
陳氏素蝶　紹興素蝶
１１年代紹興の陳氏選出
三弁とも短く、広い。弁先は尖り軟捧、澄んだ白の大円舌
副弁の下半分が対称的に舌化するがその中に緑点がない。
花は花弁も割りと厚く広い。花梗も高いが花は小さい。

春蘭譜
楊氏素蝶
１９２０年寧波の陳義室の主人楊祖仁が選出
三弁とも短く、広い。副弁の下半分が舌化し、大円舌。
弁の緑と白の対比が美しく、まるで白蝶が舞っているようである。
葉は幅広く半立ち．苞衣は緑。
下の記述にあるように副弁の下半分が舌化し、その中に点、線が見える。
蘭�寶ｬ史のものと明らかに違って主弁が前傾している。

春蘭譜
素蝶
抗日戦争前に選出
三弁がやや長く、副弁の付け根が舌化
白の大巻き舌、落肩
澄んだ素心であるが楊氏素蝶には遠く及ばない。

楊氏素蝶として紹介されたもの

素蝶として紹介されたもの

新しい素蝶　翠胡蝶

奇種　素蝶
蘭�寶ｬ史；民国９年発見。主弁荷形、副弁は蝶が羽ばたき飛んでいるようである。舌は濁りのない素心。陳義室の秘蔵品。写真が一枚残っている。

素蝶はまた楊氏素蝶、楊氏胡蝶、寧波素蝶、素胡蝶などともいう。
楊祖仁氏が１９２０年選出し、続蘭�專ｯ心録によると楊祖仁氏が自ら栽培していた。 已巳春朱歩省氏もこれを得て栽培した。三弁は短く広い，平肩肉厚，極めて珍品である。已巳春とは西暦１９２９年の春である。

素蝶については江浙蘭�宸ﾌ書籍の殆どに記載されており、沈渊如父子の《蘭花》、《中国蘭芸三百問》にわりと詳しく述べてある。素蝶の基本的な形態についてまず《蘭花》をみてみよう。

《蘭花》
　”１９２０年陳義室の主人（つまり楊祖仁）により選出された。三弁は広く、副弁の半分は素唇弁化し、大円舌。花色は翠緑、唇弁化した部分は白色で広く、整った花弁は蝶が舞っているようでその姿は見るものを感動させる、蘭界の人々に珍品とされた。苞葉緑色、緑の筋で彩られ、それぞれの筋は弁先近くまで達し全体に緑砂のかさが散らばりはっきり見分けられる。

次に《中国蘭芸三百問》の素蝶についての記述を見てみよう。
　春蘭’楊氏素蝶’はまた’寧波素蝶’とも言う。１９２０年寧波の楊祖仁が選出、愛倍。葉性は斜立，葉柄は細く，葉先は丸止め、葉辺のギザは粗い。葉色は翠緑で光沢はない。花苞は翠緑でまん丸、緑の筋、子房の苞衣は緑砂状の光輪が濃い。三弁とも短く広い。主弁は捧心を包むように前に俯き、俗に帽子を被せると言う。両副弁は下半分が舌化し中に緑の点や線が残る。純白の大円舌は下垂し巻く。花色が碧緑であるためその白さがことさら清麗である。花弁は分厚くもっちりとし、花の品位が素晴らしい。両副弁は先端がやや後ろへ巻き、緑の蝶が飛んでいるようである。ただ両副弁の舌化とそこに残る緑点線が完全な対称系でない。とはいっても素蝶のなかで最も優れたものであろう。
　素蝶は数種有る。例えば‘陳氏素蝶’は《蘭�寶ｬ史》に写真があり、両副弁の舌化が対称的で花弁もやや厚く広い。花梗は高いが舌化部分に緑点はない。これはまた ‘紹興素蝶’ともいう。さらに‘謝氏素蝶’というのが上海で選出されている。現在最も流通しているのは‘蝴蝶素心’というべきものである。花形は大きく、副弁の舌化は非対称で、時にただ片方の付け根が舌化するのみで往々にして下垂した舌が舌化部分を隠してしまう。当然ランクは低い。これら三種の素蝶の流通量は極めて少なく‘楊氏’と‘陳氏’が最も珍品である。しかし現在‘蝴蝶素心’を‘楊氏素蝶’と称している。

牟安祥　　　　山東蘭花網　より

こうしてみると、真品素蝶は絶種してしまったのだろうか。現在楊氏素蝶として紹介されるものと蘭�寶ｬ史の素蝶を比べると、舌化が不十分であったり明らかに別物であるように見える。あるいはたまたま咲いたのが蘭�寶ｬ史の素蝶なのだろうか。花の形態は株の充実度、環境、写真を撮るタイミングなどにより全く違った花に見えることがあるので特定するのはとても難しいだろう。
日本の愛蘭家のどなたか真品をお持ちであればご紹介いただきたいものである。

日本のオークションなどで紹介される素蝶

山東蘭花網に素蝶に関する投稿文があったのでご紹介

副弁中央が中透け状に