蘭の最高値に対する一考察

　浙江省のインターネット上の０７年８月２４日付けの記事によると、春蘭“知足素梅”は昨年末４．５万で売られたが今では１５００元しかしない。春剣“桃園三結義”は昨年末最も高い時６０万元もしたが今では８万元しかしない。

浙江省は蘭花の発祥の地の一つで、蘭市場は１９９０年代後期より好況を呈し昨年にはほとんど狂気じみたところまでいった。しかし今年になるとまっさかさまに落ち込み今の蘭価はここ５年来の最安値をつけている。

“最高値の蘭価“とは希少なるがゆえに高価であるということか？

杭州ご山花鳥市場の蘭屋の親爺は、今でも笑いが止まらない。というのは去年次々と最高値をうち立てたのだ。２００６年２月雲南蘭花博覧会で舟山のある蘭農の３本立ち　神州奇蝶　が１２０万元で取引され、当時浙江蘭の最高記録を打ち立てた。“新昌花蝴蝶”は２００４年一芽３万元だったが、２００６年になると２５万で売れた。しかし去年４月紹興県第７回蘭花祭において一鉢の“明州梅”が７００万元の最高値をつけたのだ。。

蘭はなぜ金の延べ棒よりも高いのか？　“希少なるがゆえに値打ちがある”　ということなのか。省蘭花協会の副秘書長陳小中は笑って言った、“新種の蘭は一年で２，３芽しか増えないから皆群がる。しかし”宋梅“のような古い品種は評価はとても高いがなんと言っても絶対数が多い。だから価格は安い、せいぜい一芽数百元しかしない。

陳小中はさらに次のように説明した。蘭の繁殖速度はとても遅いし、苗から育てて開花まで結構時間がかかる、新種を見つけてある程度の数量に増やすのに１０年２０年かかる。だから値段が上がるのも分る。しかし昨年の蘭価の暴騰は誰かが煽ったという要因は否めない。

陳小中は言う。誰が太鼓を叩いて蘭価を煽っているのか？

蘭市場は狂ってしまった。と言うのは多くの人たちの昨年の蘭に対する評価のことだ。業界人である陳小中は言った。他の交易市場と異なり蘭の市場はいつまでたっても公開された透明な価格体制ができない、蘭の取引は往々にしてただ売り手と買い手の駆け引きだけにより、確固とした価格基準がない。売り手が市場価格を考え適当に言い値を付けるので“最高値の蘭”が出てくるのも意外なことではない。しかし一旦値下がりを始めると下げ幅もひどいものだ。

そのうえ、蘭が愛蘭家たちの趣味の域を離れ多くの人たちの投資の対象となれば、蘭の市場価格もあらゆる経済的背景につれて変動する。“最近の蘭価が上がる一方であったのは蘭界以外の資金が次々投入されたからだ。今年の上半期株式市場がかくも活況を呈したので、投資者は蘭に投資していた資金を株式市場に振り向けようと思ったのだろう。”　陳小中は言う、“しかし蘭は他の商品のように売りさばきたいから売り払うというわけに行かない。それでパニックを引き起こしてしまったのだ。さらに一部の蘭の市場に足を踏み込もうとする人に二の足を踏ませてしまった。このため市場では供給が需要より大きくなり自然と値段が下がってしまった。”　蘭に限らず昨年始まったプーアル茶熱、宝石熱、錦鯉熱など全て前後して同じ様相を呈している。“現在蘭の価格が下がってしまったと言うより、皆が理性を取り戻してきたというべきだ。陳小中は次のように総括した。愛蘭家はもっと理性的に対処すべきだ。

　歴史を見ても、蘭はかつて何度も好不潮を繰り返してきた。1990年代全国的に君子蘭熱が巻き起こったことは愛蘭家の記憶に新しい。当時一万元以上もした君子蘭が今では百数十元しかしない。しかるに当時蘭は蘭でなくただ値段を伝えるための道具に過ぎなかった。

愛蘭家たちは誰でも透明で公開された取引体系を打ち立てることが重要だと考えている。昨年蘭市場が浮かれ狂ったのは、蘭の伝統的な取引方式が売り手買い手双方の闇取引によるものであるからだ。　このことがあの手の市場を煽る連中に蘭価を吊り上げさせる機会を与えてしまったのだ。“我々はしょっちゅう蘭展を開き、愛蘭家たちは自分の育てた蘭を展示しよう。そうすればお互いにとても合理的な価格を決めることができ、でまかせに値段を言うのを避けることができる。また多くの愛蘭家に、ともに変わった花を楽しむようにさせることができる。こうすることは我々協会が蘭市場の健全な発展に寄与するいくばくかの努力と言えるだろう。”

　湖州市蘭協会副会長徐昊は、愛蘭家たちが新しい品種を探し収集すると同時に古い品種の発展にも関心を持たねばならないと考える。なんと言っても古い品種こそ蘭市場の健全な発展の基礎であるのだから。それと同時に愛蘭家も自分の観賞レベルを高め蘭情報に関心を持ち、盲目的に投資するのでなく、普及品にこそお金を使うべきだ。これらのことは全ての蘭市場の継続的発展につながるのだから。

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