巧百合

2002年2月巧百合は浙江省蘭展において、おおいに異彩を放ち一躍有名となり多くの愛蘭家の好評を博したそれはどうしてだろう。私が思うに、たぶん巧百合がわれわれにある種の新しい視覚的な刺激を与えたからだろう。先ずその姿を鑑賞してみよう。

巧百合は、葉姿が優美で、花が大きく、光沢があり色鮮やかで、外三弁は半円形状に咲きあたかも百合の花のようで咲き終わるまで変わらない。舌には大きな紅点が一つあり鮮やかで美しくまるで画竜点睛を連想させる。玉扇捧(弁化し、苞衣は翠緑)と外三弁がぴったりと調和し、花全体がふわふわとして形式張らず、反り返っているが皺がよらず,舞っているようでなおかつ整っている、つまり躍動的であるがとても優雅である。花全体に伝統的な面影を残しつつ現代的なよさも持ち合わせていて、それぞれが完璧に調和している。金賞に選ばれてもなんら不思議ではなく愛蘭家の賛美を受けるのももっともだ。2005年、“歩森杯”海峡両岸蘭展でも金賞を受賞した。

巧百合の最大の功績は新しい弁型つまり 百合弁 を確立したところにある。以前このような弁型の蘭は少なく人々の注意を引くこともなかった。数十年来、尢魔フ朶雲以外このような弁型の名蘭は伝わっていない。このため、新しい弁型の確立という点から考えると巧百合は宋梅,竜字,汪字、大富貴、余胡蝶などとともに新しい弁型を生み出したという意義があり、人々に新しい概念を作り出したといえる。この後の蘭展において百合弁の新花が次々と現れ、愛蘭家の注目を浴び、新しい分野をきりひらき、これらの花は伝統的な弁型に組み込まれていくことだろう。このことこそ巧百合が我々にもたらす啓示であり、蘭文化史に新しい小さな一ページを加えることになるだろう。

 老化に伴い花弁が反るのではなく、最初から最後まで花形が変わらないところがミソのようだ。欧米人にはすんなり受け入れられる花形かもしれない。もっとも美に対する観念と言うものは先人たちの考え、好みを知らず知らずのうちにあたかも自分の考え方のように錯覚していることがままあるので、もう少し自由な感覚で望む方が良いのかもしれない。綺麗だ、可愛いと自分が感じればそれで充分なのかも。

 百合弁という新分野が確立するかどうかは愛蘭家の自由な発想にかかっていると思う。

春蘭

>
ニュース06
SEO [PR] 爆速!無料ブログ 無料ホームページ開設 無料ライブ放送