ナージャ海を騒がす

 言い伝えによると、ナージャは元々玉皇大帝の部下のひとりで大羅神であった。身の丈六丈頭上に金輪を頂き、頭は三つ、九つの眼、八本の腕があった。ひとたび息を吐くと青い雲がたなびき大岩を踏みしめ、手には万能の宝剣を持っていた。彼が大声を出すと忽ち大風が吹き黒雲が湧き上がり、大雨が降り注ぎ、天は混沌として地は真っ暗となるのであった。計り知れぬ力を持った神であった。

 

 当時この世では多くの人に災いをもたらす魔王が出現していた。玉帝は人間の苦しみを見て彼に言った。“大羅神よ、今人間界では多くの魔王が現れ悪さをなし無辜の民を苦しめておる。人々は昼も夜も心休まることがない。そこでお前は今から托塔天王李靖のところに行って生まれ変わるのだ。そして魔物や妖怪を退治せよ。”大羅神はこれを聞くや“仰せのとおりに致します。私は生まれ変わったなら必ずや大帝のご期待どおり人間界や天上の悪魔を退治します。”

 

 大神は本当に李靖の妻素芝のおなかに宿った。夫人は懐妊後時を経て無事三人の子供を生んだ。長男は金ジャ、次男は木ジャ、三男をナージャと名づけた。なんと、不思議なことがあるもので、ナージャは生まれてたった五日で跳び回りあちこち遊びまわった。ある日彼は東海へ遊びに行くと海に飛び込み体を洗いだした。大喜びで両足を踏ん張ると偶然片足が東海竜王の水晶宮の屋根を踏んでしまった。竜宮はぐらぐらと揺れ瓦が落ち梁は曲がってしまった。ナージャが頭をたれ見るとなんと竜王宮を踏んでいるではないか。彼は これはしまった、もめそうだ。早く逃げた方がよさそうだと考え、海から飛び出すと雲を霞と李天王のところへ逃げ帰った。

 

丁度この時東海竜王は竜宮で休んでいた。竜宮の瓦が落ちる音を聞き、建物が揺れるのを感じると直ちに兵を出し見に行かせた。なんとナージャの仕業だと言うではないか。彼はかんかんに怒って言った、“あの小僧め、ほんとうに憎たらしいやつだ。全く世間知らずにも俺の竜宮の上で暴れ回り宮殿を壊すとは。”言うが早いかすぐ手下の海老の兵や蟹の将軍を集め殺気立って李天王の門前にやってきた。大声で“李天王、早くお前の子供のナージャを呼んで来い。何で俺の竜宮を踏み壊したか聞かねばならん。もし弁償して謝り竜宮を修復するならよし、この竜王も別にことを大きくするつもりはない。”李天王は息子が揉め事を起こしたのを知ったが、ここ数年来東海竜王の手下の数匹の竜が人間界で悪さをし、竜王自信も悪の限りを尽くしてきているのを考えた。そこでナージャに出て行って戦うよう命じた。

 

この時ナージャは生まれてわずか七日、まだ小さな子供のようなかっこうだった。頭には赤ちゃんの産毛が残り、裸で赤いちゃんちゃんこだけをまとい、銀のネックレス、銀のブレスレットをつけ風火輪に乗っていた。左手に矛を持ち、右手に銅輪を持って、雲の上から飛び降りてきた。老竜王は怒りのあまり大声で叫んだ。“この小童が!俺の竜宮を壊しておきながらお前の親父は弁償にも来ないばかりか、お前に向かい打たそうというのか、ようし、目に物見せてくれるわ。”言うや大刀を振り回しナージャへ殺到した。ナージャもあわてず騒がず風火輪に乗り矛で竜王の大刀に立ち向かった。二人は空中で激しく戦い始めた。十数合も戦うと年寄った老竜王はだんだん押され気味になってきた。手を振って合図すると手下の海老兵や蟹将軍、蛟竜が一斉に襲い掛かりと大乱闘になった。しかしナージャは戦うほどに勇気百倍、あっという間に彼らを打ち負かしてしまった。

 

老竜王はこれを見るや残った兵を引き連れ竜宮へ逃げ帰り、玉皇大帝に訴えて裁いてもらおうと考えた。しかしこのことはナージャの知るところとなり、早々と南天門で待ち伏せ竜王に大傷を負わせた。竜王は竜宮に逃げ帰ったが、間もなく息を引き取った。

これらの挿絵は漫画映画のものから借用した。

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