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蘭�寶ｬ史

１９１５年蘇州の蘭培養所で選出。三弁大頭細収、分頭連背、硬捧心、如意舌



春蘭譜の説明では
三弁短円、緊辺、弁肉厚、半兜蚕蛾捧、大円舌、花色淡翠緑、花茎は高くない、葉は半垂れとある。
蘭�寶ｬ史の説明とかなり違う。

１９３３年日本へ伝わりのち
中国内では絶種、１９９３年里
帰り　www.18888.comより

全く違う写真だと思うが。。

２００９年江蘇省蘇州春蘭展に出品されたもの

《蘭花小史》補遺

　梅弁“鶴市”は 《蘭�寶ｬ史》によると；民国４年（１９１４年）蘇州の養蘭場にて選出。三弁大頭細収（弁先が大きく弁元が細く引き締まる）、分頭連背、捧心硬、如意舌。後に華耐庵が愛培とあり、白黒写真が一枚残っている。

　《蘭�寶ｬ史》には“鶴市”の葉の特徴についての記述がない。しかし花の特徴は述べてあり、残された写真とあわせてみるとこの花の印象は大体次のとおりだろう。
　三弁円頭、収根細、辺緊、抱え咲き、副弁の中央線は水平、弁はやや飛肩。捧心分頭連背、先端は厚く硬い。如意舌でまっすぐ伸び垂れない。先端は尖り上へ挙がる。

　印象的には《蘭花譜》の記載によく似ている。「三弁円頭広大収根。軟兜捧心。連背合頭、硬如意舌。」

　また《乃安居芸蘭筆譚》、《韶興蘭文化》ともに、三弁円頭、細収根、分頭連背捧、硬如意舌としている。その他の書籍の解説も《蘭�� 小史》と全く同じである。 《中国蘭芸三百問》と《江浙蘭�宦t等の蘭書籍では１９３３年日本に渡り、国内では絶種し、１９９３年少し里帰りしたとある。

　では里帰りしてきた“鶴市”はどうであろうか。《中国蘭芸三百問》の記載を見ると、“葉姿斜立、半垂れ、葉形と葉色は竜字によく似ているが、葉柄は竜字のように、引き締まり長くはならない。新芽は淡水紅色。花苞の色はまた竜字に似て 淡水紅色、先端は緑色をおび、紫紅の筋、 内苞衣は水粉緑色、紫紅の筋がはいる。 子房の苞衣は濃緑色。三弁短円，緊辺，一字肩，弁質厚，色は‘竜 字’のように淡翠緑色。 半硬蚕蛾捧、白頭ははっきりしない、大円下で下垂し、淡い紅点が散る。花梗は低く１０〜１２ｃｍ、、、、。

　《中国蘭芸三百問》の“鶴市”について、葉の特徴から見ると,《蘭�寶ｬ史》にはその記載がないので比べることはできない。“白頭がはっきりしない”あるいは“半硬蚕蛾 捧”は《蘭�寶ｬ史》にある“捧心硬”と違いがあるのか,についてはよく分からない。《蘭�寶ｬ史》には白頭といった類の記載はないが、その写真を見ると、このような分厚い捧端は白頭があるに違いない。

　最も分かりにくいのが“大円舌で垂れる”という部分で　これが《蘭�寶ｬ史》の“如意舌”と全く一致しないところである。 《江浙蘭�宦tでは“分頭合背，唇弁を　《蘭�寶ｬ史》の如意舌とみている。そして一枚のカラー写真を残している。このカラー写真を見ると《中国蘭芸三百問》の、”大きな舌は丸く先端は後ろに巻いている。”によく似ている。舌はさほど大きくはないが、先端が後ろへ巻いている。これは先端が尖り、後ろへ巻かない如意舌に合致せず、それに宝盖字肩の嫌いがある。 《蘭�尓�鑑》の“鶴市”の記載と《江浙蘭蘭》はほぼ同じで,陳海蛟氏が提供した一枚のカラー写真があり,これは《蘭�寶ｬ史新版》にも用いられている。この写真を見ると副弁は一文字を呈し丸い弁頭はやや下がり,半硬捧,連背かどうかははっきりしない。如意舌とあるが,舌端が垂れているように見える。しかし後ろに巻いてはいない。

　もちろん《蘭�寶ｬ史》に述べてある“鶴市”は記述が簡単すぎ、写真も白黒で、これが初花かあるいは固定したものかはっきりとはいえない。このためこういった比較はどうしても机上の空論とならざるを得ない。

　このような古い品種については総合的な資料館を建設することが必要であり、これは蘭人たちの切実なる願いでもある。

　“鶴市”というこの名前の由来は,多分蘇州の岳王鎮(即ち太倉)と関係があると思われる。岳王鎮は古い町で，明の成化年間（1476年），人王俊が建設した楊林新市で，集落を形成し，その形が鶴のようだったので鶴市、鶴王市と名づけられ，500余年の歴史がある。民国元年（1912年），州県が合併し，太倉県となり，岳王郷と改称された。後に民国18年再び岳王鎮と改められた。“鶴 市”は岳王鎮(太倉)の古い地名のひとつで，この名に由来する可能性が大きい。

　以下は最近紹介された鶴市であるが、日本から里帰りしたもので蘭�寶ｬ史のものと似ていない。
なんだか天興梅に似ているような気も。また梁渓梅と同じとしたサイトやよく小打梅と間違えられるとしているサイトもある。　また別の項で調べて見ます。

天興梅とされるもの

　天興梅も謎の多い蘭で、さまざまな咲き方をし他の蘭と混同している場合が多いようだ。
　また調べてみます。

中国でも日本から里帰りした鶴市が殆ど別物であるという見方が強いようだ。以下（蘭花小史補遺）より引用

　どうやら日本で増殖され普及している間に、ちょっとしたミスで或いは故意にどんどん別のものと混同し不幸なことに、それがそのまま中国へ里帰りしたようだ。もちろん日本国内でも混乱したまま普及してしまったのかも。

　蘭の知識も豊富で中国語にも精通した真面目な専門業者が居らず、その時その時の高い蘭の名前で売って金を儲けようとするブローカーが多い蘭界ではやむをえないことなのかもしれない。。。
しかし各地には真面目な蘭会や愛蘭家が多いと思うので今後真品が見つかることを期待しましょう。

易蘭網