この蘭は1998年、姫路市在住の松尾氏が大理より持ち帰ったものである。
松尾氏はこの年初めて、神戸の蘭商T氏およびK氏と雲南へ蘭を見に行ったそうである。大
理の蘭商を訪ねた折20本くらいの大株の蓮弁に丸い花芽がついているのに気づいた。こんな
花が咲いたと蘭主に写真を見せられた松尾氏は迷うことなくこれをを購入した。
帰国後開花しちょうど地元で開催されていた蘭展に出品した。この折蘭友に強くせがまれ半
分を愛蘭家I氏に譲った。蘭の写真は新聞にも載り多くの人々の知るところとなった。
翌年氏の所属する蘭会の春蘭展に出品したところ、会場に来ていた相生市のA園芸が強く分
譲を迫った。やむなく氏は三本をはずしA園芸に渡した。後にこれが大阪方面に納められたら
しい。
松尾氏はこの蘭に 白麗 と名づけ愛倍していたが何人かの蘭友にせがまれバックを渡した
そうである。現在氏の元には数本立ちが一鉢残るのみでしばらく花は付きそうもないとのこと。
またかなり前のことなので思い違いがあるかもしれないとも 語った。
以上松尾氏談より
初めて現地へ行き花も見ず買うとは思い切りがいいなあ。商人ならなかなか手を出さないも
のを。数年前私もこんな花が咲くと写真を見せられた蓮弁があった。買ったほうがよかったか
も。
当時はまだ現地で悪さをする人もいなかったのかもしれない。しかし初めて会った相手を疑う
こともなく買ったのは氏の人柄もあるが,蘭を買うときのヒントになるかも。私はベテランや蘭商
の言うことを聞き買わなかったことを後悔したことが何度もあるから、今後はやはり自分の直
感を大切にしよう。
写真 松尾氏提供
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