翠桃と湖州第一梅


春蘭譜

翠桃

日本の雑誌から

翠桃 には次のような歴史があるとされている。
1.翠桃 またの名を:品蓮
2.
翠桃 またの名を:安昌梅  緑茎と赤茎の二種がある
3.
新翠桃1998年選出

このうち1,2はすでに絶種したというのが定説。

翠桃”(品蓮)は浙江省中部の“浦江”の山中で採れたという説と、紹興安昌で採れたので“翠桃”の別名を(安昌梅)という説がある。

1998年舟山で選出された“新翠桃”については《蘭尓鑑》に紹介されている。《中国蘭花名品珍品鑑賞図典》の17ページに“玉桃翠珠”について、外弁が強く波打ち皺が入ることから“翠桃”の変異種と紹介されている。《浙江省春蘭様品園》に“珍珠翠桃”なる一品があり、その紹介によると1999年金定先より購入したとある。2002年金定先が編纂した《中国名種春蘭図譜》には“珍珠翠桃”は見当たらず“梅桃”、”新桃梅”、“緑翠鳳梅”などのよく似た品種が“翠桃”と同じ種類に属するとある。これらの年代にはいろんな春蘭産出地で“翠桃”に似た蘭が採取されているがひとつひとつ紹介できず申し訳ない。

《中国蘭芸三百問》では緑茎“翠桃”は特徴が明らかでかつ特殊であるが流通量は少ないとしている。ここ23年日本からたくさんの緑茎“翠桃”が里帰りしてきたが値段は赤茎“翠桃”と似たようなものである。

現在流通している“翠桃”についての説明は次の通り
葉は濃緑で厚く光沢がある。葉姿は半垂れ、露受け葉を交え外葉は広く内葉は細い幅1cm位、長さは25cmくらい。鋸歯は細かく、歯の付け根は細くしまる。新芽は紫緑で先端は乳白色。花苞は緑で紫紅色の筋が入る。苞の形は丸い太鼓状、子房苞衣は緑色に彩られ,筋は凸形でまばら。外三弁は広く厚い。桃の形をして顎片に浅黄緑色の筋紋がある,弁端はやや波打ち円頭または裂け目があるようにくぼむ。色は緑。 捧心はほとんど合背状,蕊柱が見えない。分背時は蕊柱が露出する。あたかも三つの蕊柱がくっついたようで,両端は大きく真ん中は小さい。捧心は雄性化し,淡黄色の捧端が突出する。硬く絞まった如意舌上に紅点がある。時に舌と鼻頭 がくっつき俗に“三弁一鼻頭”という。全体的に見て外輪は大きく,中keは小さい。赤茎翠桃は花茎が10cmに達し,花茎の色は紫紅で,一番上の一節は緑色を呈する。緑茎翠桃の花茎 は翠緑,外弁端は割れ目がある。“翠桃”は抵抗力は強いが,栽培中は強光と濃い肥料は避けるべきだ。

赤茎翠桃

緑茎翠桃

湖州第一梅,またの逸梅

 1911年春(民国期)湖州姚佐田氏が浙江湖州で選出、命名。
この新芽色,葉は斜立,中葉辺がやや内に巻き浅い溝をなす。葉はきつくしまる。で光沢に富み厚く硬く弾力がある。開花時と葉のバランスがとてもよい。.外三弁は,細く收根する。広鍵爪がある。付け根はきつく絞まり弁端に波状の皺がはいりやや波打つ。瑞々しい緑色で一文字肩
しかし見たところ枚の萼片とが中宮の調和が極めて悪い。蚕蛾捧心で付け根は細長いは二個のやや長い半円形の球体を合わせたようで内側の窪みは兜状を呈する。しばしば蕊柱がくっつき俗に一鼻頭と呼ばれる状態を成すものが多い。開花中花全体が上を向き舌の裏側の紅筋や斑点が見えてとても綺麗である。花は中くらいで花茎は細長く紫紅色、一番上の節はだんだん緑に変わる。梅弁の優品といえよう。

確かに翠桃に見えるものもある。また上述の新翠桃にあるようにたくさんの翠桃形の花が採取されたことから、これらのものや湖州第一梅などが混在していることも考えられる。

最近の蘭情報12

現在赤茎、緑茎があることから安昌梅が現存している可能性も捨てきれないのでは。

翠桃(品蓮、昌蓮)
 清代咸豊年間,浙江省富陽朱昌良で採取された“翠桃”は,3枚の萼片に紅筋があり,貝殻捧心,如意舌であったが残念なことに戦乱時絶種してしまった。
 現在流通している翠桃は寧波の楊祖辰家の園芸家張培元氏によると“清代同治 (1867)年間,浙江省浦江県の養蘭の大家徐保国が浦江県昌蓮岩(地名)付近の山で見つけたものである。後に上海の‘林天頤参号’林翰之に売った。その萼片が菱形を呈し,俗に桃弁で (やや桃の花に似ているで),さらに花色が淡い翠緑色であることから 林翰之氏が翠桃と命名した。また産出地が昌蓮岩あることから品蓮、昌蓮とも呼ばれる。林翰之は楊祖辰の父親の友人で彼らの間には仕事上の付き合いがあった。当時楊祖辰と張培元師 匠はともにとても若かったので,称林翰のことをおじさんと呼び、互いにじっこんの間柄でしょっちゅう蘭の交換をしていた。このため楊祖辰と張培元氏の言う翠桃の歴史は絶対に間違いがないというわけでもない。

 さらに浙江省嘉興秀水の許ji
氏の《蘭專ッ心録》の記載によると:“翠桃:別名品蓮と称し,新種である。浦江山で採取され,上海林天頤参号翰之氏が愛培。 花は幅八分長さ一寸,弁先は尖り色は緑、花茎は灯草(いぐさ)のように細い。葉は細く実にもって奇種である。”。
 日本で1950年代に出版された《中国蘭》という本にも詳細に翠桃の産地や特徴 が記載されていて内容もほぼ同じである。葉は半垂露受け葉を混え,薄く中広の平葉で,葉柄は細く絞まり,葉梢は短く鈍い。葉幅1-1.2cm,長さ約23-26cm,鋸歯は細かく,翠緑色で光沢がある。褐斑病になりやすいので予防が必要。花芽は大きく、円鼓形を呈する。苞葉は淡い紫紅色で緑彩がかかる。紅紫色の筋が先端まで通る。苞片は極めて淡い紫紅色で緑翠の暈彩をかけ る。3枚の 萼片は円く広く肉厚で端正。基部はきつくしまり,淡い翠緑色で華奢,弁端は桃花のように凹型に欠け波打 つことがある。副弁は最後までまっすぐ伸び極めて高貴優美である。捧心は合背で二個の硬い黄色の円塊をなす。舌はしっかりして先端は小さく尖り俗にいう“穿腮舌”である。鼻頭は二個の黄塊に挟まれ,江浙蘭界でよく言う“三弁一鼻頭”という言い方で 翠桃の特徴を表現している。しかし注意深く観察すれば翠桃も他の蘭と同じで、花弁が欠けているのではなく ひとつに固まっているだけだということに気づく。
 翠桃の花茎が赤いものを赤軸翠桃と称し、軸は細く短円,高さはわずか6-8cm,花は葉元あるいは葉と同じ高さに咲き、まれに葉上に咲くものもある。外輪は広大で中宮はきわめて小さい。これが翠桃の基本的特徴のひとつである。おそらく植え込み材と日照の加減のせいであろうと思われるが、淡い紫紅色の花茎が緑色に彩られるものがある。花弁は紅軸翠桃よりやや大きく,花色の緑がさらに濃く青軸翠桃と称している。
 赤軸翠桃の花は典型的春蘭梅弁に比べかなり変わっているが、花形に特色があり また違った品格がある。翠桃は1931年に日本に渡った。

1.15

1.19  網易のブログ 覚悟の日記より

 私は日本で出版された《中国蘭》という本を持っていないのでその内容がどうであるかはわからない。しかしひとつの名品がいろんなエピソードを持つのは日本春蘭についてもよくあることなので仕方のないことかもしれない。

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